就職をして数年したら、自分を愛してくれる人と幸せな家庭を築く。
そんなぼんやりとした理想は、夢物語だったんだろうか。
SNSに並ぶ、まぶしい家族写真。
学生時代の彼も、気づけばスマホの向こうで立派なお父さんになっていた。
出会いもなく、会社と自宅の往復の日々。一足先に結婚や出産を経験した友人たちは、別世界に行ってしまったように思えた。

誰と会っても話をしても、しっくりこない。
今度こそ!この人が運命の人かもしれない!
そう思っても、やっぱり何かが違う。
そのたびに浮かぶのは、一番好きだった人のこと。
終わった恋を脳内リピートしては、あの頃が人生のピークだった気がして、負のループに引き込まれる夜も珍しくない。
…でも、あの頃に戻りたいわけじゃない。
悲観的になればなるほど、大切なことがこぼれていくような気がするから、気丈に振る舞ってみる。でも、やっぱり不安は消えない。
「なんでこんなにもうまくいかないんだろう…」

うまくいかないの恋が続くのには、何か意味があるの?
あまりにも不毛な自分の恋愛に嫌気がさしたとき、ふとよぎった疑問。
この恋たちに共通することはなに?
どんな人と恋をすれば、私は幸せになれるの?
恋をすると、いつも相手に振り回されて、心が乱れてしまうのはどうして?
恋愛をしていないときの方が調子がいいのはなぜ?

そうやって自分と向き合っていると、見える答えがきっとある。
もしかしたら、自分に合っていない人を選んでいるのかもしれない。
今は他のことに集中するべきときなのかもしれない。
見ないふりをしていた自分の問題と向き合う時期なのかもしれない。
もし、感情や状況に流されて不毛な恋をしてきたのなら、一度立ち止まって考えることも大切なのかもしれない。
優しい人ほど相手に合わせてしまうことがあるけれど、大切なのは自分の軸で恋をすること。
それはきっと、幸せになるための第一歩だから。