選んだ道の先にある景色

今朝、初めてママ友ができた。

私の心は拍手喝采。

そんな大袈裟な話ではないのだろうけど、うれしくて帰り道はちょっと泣きそうになった。

もやもやの日常に、スーッと風が通り抜けたような感じ。

行動範囲が一緒で、最近顔を合わせる機会も多かったから「仲良くなれたらいいな」と思っていた。しかも同年代と知って、うれしさも倍増。

ここ数年、付き合いの長い友達と会うことが多かったから、LINE交換の存在すら忘れていた。

これまでも「仲良くなりたい」と思うママに出会ったことはあったけど、いろいろ考えすぎて自分から声をかけられなかった。

だから、こうして声をかけていただけたのは、とてもありがたい。

あれ、もしかして私こじらせてる?

きっと、社会から離れすぎたせいだ(笑)

 

自分よりも早くママになった友達が、LINEの名前に子どもの名前を入れるようになったのを見て、漠然と「ママになるってこういうことか」と思っていた。

「児童館でママ友と話した」と聞けば、そのコミュニケーション能力に驚いた。

私は息子のためにそこまでできるんだろうか。

そう思うくらい、私にとって「ママ友」は縁遠いものに感じていた。

でも、実際は情報交換だったり同じ境遇の話し相手としてだったり、みんなそれぞれに必然だったんだと今ならわかる。

 

子育ては想像以上に孤独だ。

我が家の場合、夫は出張が多いこともあって、基本的に休日以外はひとりで子どもと向き合っている。

ひとりで担うこともそうだけど、大人と話す機会が少ないのが、こんなにも精神的にこたえるとは思わなかった。

とくに女性は話すことでストレスを発散しているとよく聞く。ちなみに、調べてみると1日に話す言葉が6,000語以下だとストレスを感じやすくなるという情報もあった。

とはいえ、私の「しゃべりたい!!!」という気持ちを、疲れている夫にぶつけるのも気が引ける。

これまで、全力でぶつけてしまうときもあったけれど、最近は申し訳なくなってきて控えている。

買い物に行って「ありがとうございます」しか話さない日もあるような今の状況。自分の心身の状況にも頷ける。

友達に会えた日は、気分がスッキリするもんなあ……。

だから、「同じような境遇で、子育てについて話ができる人がほしい」と思っていた。

それは、最近「いよいよこの状況をなんとかしないといけない」と感じていたところだったからだ。

 

息子も1歳半を迎えて、幸せなことにますます元気いっぱい。自我も芽生えて、思い通りにならなくて怒ったり泣いたりする回数も増えた。

手が付けられないときもあって、イヤイヤ期に片足突っ込んだ感じもするくらい。

おまけに、体力がつきすぎてお昼寝もしなくなってきた。

そうなると、朝6時に起きてから夜8時に寝るまで育児ノンストップ。

ひとりじゃ手に負えない。

そうなると、親の都合的に条件のいい園に転園するか、仕事を再開して認可の保育園に申し込むか、今の園と並行してどこかに預けるか……。

幼稚園のプレまでは待てそうにない……。

自分にとっても、子どもにとってもいい選択をしたい。

でも、たくさんの選択肢があって、考えても考えても答えがでない。夫婦で話し合う時間もない。

だから、とりあえず選択肢を増やすために少しだけ働こうか、と動き始めたところだった。

 

そんなふうに、八方塞がりだった私に現れた救いの手、ママ友。

孤独だった私には、彼女が女神に見えた。実際に凛としていて素敵な人。

きっと、こうしていろんな出会いに支えられながら、これからも育児をしていくんだろう。家族と、子どもと向き合っていくんだろう。

大変なことも多いけど、私はそれがすごく楽しみだ。

まだまだ、ママ1年生。

悩んで当然か。

「バリバリ働くんだ!」と意気込んでいた20代後半の私。

あのとき選ばなかった道の反対には、こんなにかわいい息子との生活と、素敵な出会いがあった。

あらためて、私が大切に選んできたこの景色を、一つひとつ大切にしていきたいと思う今日のできごとだった。